根管治療

根管治療について

根管治療について

根管治療とは?

根管治療とは、歯の中にある神経の治療です。
何もしなくても痛い・噛むと痛い・歯肉の腫れ・痛みはないが腫れを繰り返すなど症状は様々ですが、レントゲン撮影にて歯の根の先に透過像(黒く映ります)があれば、根管治療が必要となります。

歯の神経が残っている場合の
治療方法

まず麻酔をしてリーマーやファイルという器具を使い歯の神経をとります。その後感染が起きないようにできるだけ早い段階で最終的なガッターパーチャという材料で空洞部分を詰めます。

根管治療をしないとどうなる?

きちんと根管治療をしないと
どうなる?

歯の根は大変複雑な形態をしていて神経を取ったように思えても、枝分かれしている部分の神経が一度の治療では取り切れないことがありますので、治療の途中で通院をやめてしまうと、根の先に細菌が繁殖して膿の袋が出来、腫れて痛みが出る事もあります。

その場合は抗菌剤の投与と再度の根管治療が必要です。

抜歯しなければならないケース

抜歯しなければならないケース

抜歯しなければならないケースは根管治療途中で来院されなくなる事で起きることが多いです。

根の中で細菌が繁殖し、再度根管治療を行なっても治らないケース

一度根に感染が起きてしまうと根の先の構造上治療が困難です。感染した歯の治療は根管治療の専門医でも治療の成功率は70%ぐらいと言われています。

仮詰めが外れて放置した結果、歯の根が被せ物ができないほど小さくなってしまったケース

根管治療の最中は外して治療しやすいように暫間的な仮詰めをしてあり、時間がたつほど外れ易くなっています。

仮詰めが外れ、歯の根を剥き出しのまま放置した場合、身体は「感染しているものを排除しようとする」働きがあるため、残っていた根が吸収されて短くなっていき、結果的に被せ物ができなくなってしまいます。

硬いものを噛んで歯自体が割れてしまった場合

根管治療を行なっている歯は虫歯が原因で歯の頭を削っている場合がほとんどなので歯は薄く弱い状態になっています。その歯でうっかり通常のように咬んでしまうと歯の根の先まで割れてしまう事がありこの場合は抜歯となります。

根管治療が必要な
症状と原因

虫歯

①神経にまで虫歯が
達してしまった場合

これが一番多いケースです。歯の頭(歯冠)の大部分が虫歯で溶けてなくなるか、歯の頭があるような場合でも中で大きな虫歯になっていて細菌感染を起こし痛みが止まりません。神経を取る処置が必要となります。

腫れ痛み

②以前に神経を取った歯が
腫れ痛みを繰り返す場合。

歯の神経の先はとても細かく枝分かれしています。

歯に痛みが出て神経の処置をせざるを得なかった場合歯科医師は細心の注意を払ってリーマーやファイルという針のような器具で神経を除去し消毒を行いガッターパーチャといわれる材料を根の先まで緊密に詰めます。

ところが根の先はそのような細い針が入らないほど細かく分かれているため、根の先に細菌叢があったり、神経の取り残しや隙間が空いていることがあります。

小さな隙間にまで現在の技術では詰めることができませんが80%ぐらいのケースは細菌感染が重度でない場合自然にふさがっていくことが期待できます。

残りの20%は自然にふさがらなかった部位に細菌が繁殖し根の先の部分に膿の袋を作り腫れて痛みが出てくるということがあります。この場合被せ物があれば外しもう一度根の中を掃除し根の治療を行います。

根の神経の処置は大変繊細で難易度の高い処置です。根の治療を行わなくて済むように最初から大きな虫歯になるまで歯を放置せずに定期検診を受けることが大切です。

歯周炎

③歯周炎が波及し、根の先近くまで骨が溶けてしまった場合

歯が残せる場合であれば①と同じように神経の処置を行います。動揺が大きく歯を残すのが難しい時は抜歯に至る場合もあります。

知覚過敏

④知覚過敏

知覚過敏の薬を塗布してもどうしても痛みがひどい場合①と同じように歯の神経の処置を行うこともあります。

事故

⑤事故などで歯を強打して
神経が死んでしまった場合

歯の神経と歯周組織につながっていた神経の交通が完全に断たれてしまった場合①と同様に神経の処置を行う必要があります。

ただ事故にあってすぐの場合は歯の神経にダメージを受け歯の色が変わり死んでしまったように見える歯も若い方で歯の神経が未完成であったり神経が太い場合は長い経過をたどり歯の神経が再生され元に戻ることが多いとわかってきました。

ですので歯を強打した場合などはすぐに神経を取るのではなく長い経過観察が必要です。

歯の模型

⑥上顎洞炎(副鼻腔炎)がその部位にある歯に波及してしまった場合

上顎洞というのは外からは見えませんが鼻の穴の横にある骨の空洞で脳のすぐ下にあり気圧の変化や脳の温度の制御に関連していると言われています。

この部位に風邪などをひいて炎症が波及したものが蓄膿症=上顎洞炎(副鼻腔炎)といわれるものです。上の奥歯によってはその上顎洞に歯が付きだして生えていることがあり蓄膿症で歯も痛くなることがあります。

この場合は耳鼻科でその治療を行い経過観察しますが、蓄膿が風邪から来たものではなく上顎洞の近くにある歯の根にできた膿が原因で起きている場合は、②で書いてあるように根の処置が必要です。

抗菌剤の投与を行うなどして慎重な治療を行いますが難治性の場合や急性症状がひどい場合は抜歯せざるを得ないこともあります。

歯

⑦被せ物の処置を行うのに
必要な場合

被せ物の処置を行うため、①のような神経の処置が必要な場合があります。

  1. 大きな虫歯ができて神経はあるものの被せ物を支える土台が作れない
  2. ブリッジという歯と歯をつなぐ被せ物をするのに歯が傾きすぎていて削ると神経に触る場合
  3. 長い間虫歯を放置し被せ物を入れたいが反対側にある咬み合わせとなる歯が伸びてきてしまい伸びた歯を神経のある部位まで削って被せ物をやり直す必要がある場合

歯を長く保つための治療

昔に比べてインプラントや義歯の技術は進みましたが、自分の歯で咬むことに勝るものはありません。当院では少しでも歯を長持ちさせるために次の治療を行っています。

予防歯科

歯を保つための予防歯科

当院では虫歯や歯周病が重度にならないように予防処置を行っています。定期的に来院していただき問題が発生する前に徹底したプラークコントロールとプロフェッショナルケア、また問題が発生した場合でも軽微な症状であれば歯を抜くまでの処置に至らず歯を長持ちさせることができます。

きれいな歯並びと適切な
噛み合わせを作る

矯正治療

歯を抜かずに長持ちさせるための部分的矯正治療(MTM)

虫歯のため歯冠(歯肉より上に出ている歯の頭の部分)がなくなって歯の根(歯根)だけになってしまった歯

歯冠が骨より上にないために土台が建てられない状態の歯を矯正器具を使って引っ張り出す方法です。ただし残っている歯根の長さが十分に確保できる場合となります。

また保険治療は適用できませんが、歯を抜かずに自分の歯を残すことができます。